TOPICS

小泉政権に提言する

2005.12.01 トピックス

小泉政権に提言する

小泉政権に提言する

平成17年12月2日
編集委員会

 小泉政権は先の衆院選で圧倒的な勝利を収め、政府案は即与党案となり、それがまた即国会で法案化するという、小泉総理独裁政権とも言える状況になっている。今までの国民と共に歩み、かつて私たちの考えとも通底していた政権とは異なり、今や「国民収奪」政権と化した感が否めない。

 具体的には、サラリーマンの大増税や消費税の引き上げを急いでおり、医療、福祉の問題でも弱者に厳しい生活をさらに強いる法案化を用意しているのだ。これでは国民が、小泉政権を支持したことが文字通り裏目となり、現在の小泉総理の姿は“強気を助け、弱きを挫く”となりかねない情勢にある。

 例えば、年収七百万円の人は八万円強の増税となり、年金生活者をおびやかし、医療の世界でも金が物を言う時代に入らざるを得ないということでもある。例えば国立病院が独立行政法人となり地域の医療に貢献すべきなのに、具体的には救命救急病院として転換した立川の災害医療センターは地域医療からかけ離れ、医療スタッフ中心の病院となり、患者は道具として扱われている。入院してみればわかることだが、患者が医療スタッフに抗議したり、少々暴れたり暴言を吐くと、今では精神病院でも少なくなっている拘束が常時行われ、患者が物を言えない病院として変質し、立川周辺の市民にはあたかもいい病院として映っているが、他の立川周辺病院関係者のおいては「患者モルモット」説が流布されている。それに比して、近くの都立府中病院ではそのような説はなく、いい病院だと言われている。

 加えて国立大学病院の評判は芳しくなく、大物政治家や大物経済関係者が入院するのもほとんどが、私立系大学病院である。このような国の機関が信頼されていないのは、今日的な小泉政権の逆風となるに違いない。ヘミングウェイは「勝者には何もやるな」と書いたが、今の日本の状況はそれに逆行していると言わざるを得ない。

 このような政権を国民は選択したのではなく、「自由闊達」と「裏のない政治」に魅力を感じて小泉自民党に投票したのだから、それだけに裏切られた気分は大きい。加えて21世紀の課題である憲法改正も、小泉流付け焼刃となっている(次号の「青年戦士」で明らかにする)。

 こうした小泉政権の末期はポジティブな部分がなく、ネガティブな部分が多い。それを数を頼りにして押し通すならば、日本社会に大きな禍根を禍根を残した政権として記されるに違いない。郵政民営化は確かに他人事ではないが、これまで記述した内容はとんでもない他人事となっている。

 これでは経済成長に転じたことも一転する可能性がでて来ている。一国の総理は、日本国民一億二千万人の負託を受けているのであり、数は力なり、と言うが、極めて軽く安易な政権の下での政策だと言わざるを得ない。

 外交面に至っては四面楚歌の下にあり、頼みの米国・ブッシュ大統領の支持は急落し、何とも心許ない日本丸となっているのである。

 こうした安易な政策を転じ、重厚な政策で最後の花道を飾ってもらいたいものだ。確かに小泉総理の登場と
その政策は斬新なものがあったことから、一概に否定するのではなく、肯定的な部分も大きいのだが、先に述べたように、掉尾を飾れないのでは残念で仕方がない。

 言い換えれば、小泉政権を考えれば政界再編は必至なことにもなり、自民党から除名された大物政治家も黙ってはいないだろうし、民主党の左右の亀裂は決定的であり、2006年は日本のみならず、アメリカ、EU諸国およびアジア諸国においても、混沌とした内政、外交が展開されるに違いない。

記事一覧へ戻る