日本青年社
巡視船と中国漁船の衝突事件(9月7日)に関する経緯
平成22年9月29日
平成22年9月7日(火)
- 日本領海である尖閣諸島周辺海域(EEZ内)に領海侵犯して違法操業をしていた中国のトロール漁船 を確認した海上保安庁の巡視船が漁船に停止命令を出しているにも関わらず、逃走を続けた上に故意に巡視船に衝突させるという事件が発生した。この身柄拘束は13時間に及んだが、海上保安庁から報告を受けた日本政府はその対処に苦慮する。
【参考資料】 中国船30隻、領海侵犯か…巡視船衝突当日
第11管区海上保安本部(那覇)の巡視船に中国船籍のトロール漁船が衝突する事件が発生した尖閣諸島周辺の海域は、日頃から領有権を主張する中国や台湾の漁船などの操業が相次いでいた。 海上保安庁によると、8月中旬以降、尖閣諸島の周辺海域で操業する中国漁船が増えており、多い日では約270隻を確認。1日に70隻程度が領海内に侵入していた日もあるという。海保では、巡視船を常時配備して領海警備を行っている。 11管は事件が起きた7日も周辺で約160隻の中国船による操業を確認、うち約30隻は領海侵犯していたという。いつトラブルが発生してもおかしくない状況に地元漁民も不安を募らせている。 11管が船長を公務執行妨害容疑で逮捕した中国船籍のトロール漁船(166トン)と衝突した巡視船「みずき」(180トン)は8日午前7時25分、石垣島の石垣港に入港した。(2010年9月8日13時14分 読売新聞)
9月8日(水)
- 仙谷官房長官が、国内法(公務執行妨害)によって船長を含む乗組員15人を逮捕したと発表。拿捕した漁船とともに海上保安庁第11管区石垣保安本部に連行する。
これに対して日本青年社は緊急役員会議を招集して対策会議を開く(以後、役員は連日の会議と情報収集を開始する)
9月9日(木)
- 東京新聞(・9月9日付朝刊)の『こちら特報部』に、尖閣諸島問題が取り上げた特報記事が載る。記事には日本青年社の活動と年表が掲載される。(日本青年社と実名で報道)
9月11日(土)
- 日本の排他的経済水域(EEZ)内で海洋調査をしていた海上保安庁の測量船2隻が、日本領海を侵犯している中国の海洋調査、監視船から「中国の管轄水域だ。国際条約と中国の法令に従い、調査を中止しなさい」と、日本領海内で不条理極まりない注意要求を受ける。
9月12日(月)
- 午後8時(日本時間9時)ごろ、天津市内の日本語学校正門脇の警備室に向けて停車中の車からパチンコ玉大の金属球が3発打ち込まれる。
- 午前0時、(日本時間1時)丹羽宇一郎駐中国大使を呼び出し、日本側の対応に抗議。これに対し丹羽宇一郎大使は毅然として「国内法に基づき粛々と対処するという日本の立場は変わらない」と応じた。中国政府の駐中国大使に対する執拗な抗議は異例の5回に及ぶ。
9月13日(火)
- 同校の塀に中国語で「中国人民は侵犯を許さない」とペンキで落書きされる。これらの件で日本大使館は中国天津市当局に日本人学校の警備強化を要請する。
- 9月11日、日本領海内で海洋調査をしている海上保安庁の測量船に対し、中国の海洋調査 監視船は2日間に渡って追尾したことが報道される。
- 海上保安庁が取り調べていた中国船員14名が釈放され、中国のチャーター機で帰国。あわせて事件の重要な証拠品である中国のトロール漁船が、中国政府が派遣した運行要員により中国に向けて出港。船長は19日まで拘留し、違法操業も視野に入れた事情徴収を行うとのことを決めたと報道される。 又、台湾人活動家が対日抗議行動として台湾北部から尖閣諸島に向けて出港した。(この台湾団体は明年(平成23年7月16日)に尖閣諸島魚釣島上陸を呼びかけている「中華保釣(尖閣防衛)協会」のメンバー。
9月14日(水)
- 尖閣諸島を目指した台湾の抗議船は日本領海に入らず引き返す。
- 民主党代表選挙で管直人が勝利したことに中国政府は不満との記事が報道される
9月15日(水)
- 日本青年社総本部は現地(石垣島)に代表を派遣し、事件発生後の状況調査を兼ねて、議員同志連盟相談役・松川秀盛石垣市議会議員、玉城栄一石垣社友会代表、新嵩喜八郎与那国支局長、などの関係者と会談。会談内容の報告に基づいて執行部役員が総本部で会議を行い、日本青年社の総意の下に数多くの漁船をチャーターして尖閣諸島に向けて出港し、東シナ海域で海上行動をすることを決定。直ちに前述の石垣島関係者に漁船のチャーターを要請するとともに、新潟、富山、宮城、神戸など漁港のある地域の関係者に漁船のチャーターを要請する。
- その数時間後、石垣の玉城栄一氏より、石垣漁民は日本青年社が尖閣諸島問題に立ち上がってくれることを喜んでおり、漁協も協力するといっているので急いで漁船の手配に入る、との連絡が入ったことから、最低でも10〜20隻以上の漁船をチャーターするように要請する。
- 同日、与那国の新嵩喜八郎氏も政府は弱腰だ。尖閣諸島は日本の領土だ。台湾や香港がアピール行動してるのに日本は誰も何もしない。日本青年社が動くことは絶対必要だ。漁船チャーターは任せて欲しいと話す。
- 玉城栄一氏は2回目の電話で、明日、石垣の漁業組合長に漁船のことを話す。組合長は松川秀盛議員の親戚だけど私が組合長に話してみる。 更に30分後、漁業組合長と話した。組合長は、尖閣諸島に港を作って欲しいと国に頼んでも何もしてくれない。日本青年社が船を出すなら全面協力させて欲しい、と言っていると報告が入る。
○松川秀盛市議会議員
今回の問題は、石垣市議会でも大きく取り上げている。県議会も同じ思いだ。こんな政府ではどうしょうもない。ぜひ海上行動をやって欲しい。私も協力を惜しまない。
○水野孝吉常任理事
残念だが新潟には尖閣諸島までいける漁船がない。イカ釣り船とかそういう船が多い。宮城や富山では時間と経費が相当掛かってしまうので沖縄に漁船のチャーターを要請したことは、距離的にも時間的にも良かった。日本青年社が漁船で活動すればメディアも関心を高めると思うので効果があると思う。私は他の予定を全部キャンセルしても会議に出席するので必ず呼んで欲しい。
○杉山 洋会長補佐・小林 明全国社友会会長・松村茂夫議員同志連盟会長・民部 明顧問にも状況報告をする。
9月16日(木)
- 午前中、玉城栄一氏より、午後から石垣市の漁業組合長と会うので日本青年社の意向を再確認したいと電話が入る。 午後4時ごろ、玉城栄一氏に電話を入れると漁業組合長と会談中である。
- 午後6時過ぎ、玉城栄一氏より、漁業組合長と細かい打ち合わせをした。マグロ船なら大丈夫だ。明日以降になるが、漁業組合長が石垣市にあるマグロ漁業組合長と会ってマグロ漁船を確保すると総本部に報告が入る。
- 玉城栄一氏の電話を切ったが、玉城栄一氏マグロ船というので、折り返し電話をして、今マグロ船といっていたが、こちらが話したのは10〜20隻以上の漁船だ。というと、分かってる。できる限りの漁船の手配する予定だが、今日はマグロ船も大丈夫だということを報告したとのこと。
- 新聞報道によると、中国で起きている反日行動で、30箇所の日本の施設にイヤガラセがあった。
- 前原誠司 国土交通大臣が海上保安庁第11管区(石垣市)を訪問。記者会見と中国漁船に衝突された巡視船を視察する。
- 石垣港を出港する漁船の手配がすんだ後、石垣島入りする120名〜150名の搭乗する飛行機の手配に入る。
- 9月19日までを拘留期間とした中国漁船船長は、検察が10日間の拘留延長とする。
9月17日(金)
- 今日は、総本部で連日の情報収集と会議を進めているが、今日は執行部役員20名が集まり4時間にわたって計画会議を行う。
- 会議後、石垣の玉城栄一氏より、2〜3日のうちに、漁業組合長とマグロ漁業組合長が日本青年社がチャーターして乗船する漁船の隻数と乗員定数や航路航行について海上保安庁と打ち合わせをする予定との報告が入る。海上保安庁も日本青年社の出港を認める構えでいると報告が入る 。
9月18日(土)
- 菅直人首相と前原誠司外務大臣に日本青年社としての「要望書」を、中華人民共和国主席・胡錦濤に「抗議文」を送付すると同時に「要望書」並びに「抗議文」をインターネットで公開する。
- 中国の反日行動が米国でも起きていると報道される。
9月20日(月)
- 総本部には、8月7日以降、多くの激励メールが届いているが、今日は菅首相、前原外務大臣、中国の胡錦濤主席宛ての文書を読んだ人たちから声援のメールが70件以上寄せられる。
9月21日(火)
- 午後、玉城栄一氏より、漁業組合長と連絡をとったが台風の関係で漁協もマグロ組合もあわただしい状況にあるが出港に必要な漁船の準備できていると連絡が入る。
- 9月29日に拘留期間が切れる前日の28日に石垣に向うための航空チケット予約と現地に到着後の準備を全て終了する。
- 中国の温家宝がアメリカで「船長を保釈しなければ対抗措置をとる用意がある」と高圧的に揺さぶりを掛け、同日邦人企業社員4人をスパイ容疑で拘束するという異常事態が起る。
9月22日(水)
- 中国大使館に送付した胡錦濤主席宛の抗議文が受取拒否で戻される。日本青年は受取を拒否された抗議文を直ちにHPで公開。
9月24日(金)
- 日本青年社議員同志連盟相談役・松川秀盛石垣市議会議員より下記の連絡があった。
【以下は松川議員と海上保安庁との会話の要約】
松川:日本青年社議員同志連盟相談役 松川秀盛石垣市議会議員
海保:海上保安庁 松川:海保が漁協へ行ったり私のところに来て話がしたいというので昨日(9月23日)12時から1時過ぎまで、5時からと2回海保の局長と話した。 松川:海保はこの時期、日本青年社を出港させることはできないというが日本は竹島と北方領土も既に他国に既成事実を作られているではないか、尖閣も危ない、だから日本青年社は、このたびの尖閣問題は国民に領土の重大さを知らせる大事な運動だ。今はそのチャンスでもある。 だから、日本青年社は、政府が弱腰だから国民を代表して尖閣諸島の行政区である石垣島から決起することを決断したのになぜ出港させないのか。 海保:日本青年社が尖閣諸島という言葉を出すだけでもだめだ。 松川:中国や台湾が来ているのになぜ日本青年社はだめなのか 。 松川:日本青年社は言っている。海保には迷惑は掛けないし島に上陸できないなら海上から国民に領土の重要性を訴えると言っているのになぜ出港させないのか。 海保:日本青年社が尖閣諸島に向うということは上のほうまで知っている。 海保:これは国際問題になっている、中国が中国の団体が尖閣諸島に上陸することを止めているのに、日本が日本青年社を出港させることはできない。 海保:我々は日本青年社の行動を長く見ているので理解しているので今までは第11管区石垣保安本部として対処してきたが、今回は上の方から来ているので我々にはどうすることもできない。 松川:上の方とはどこだ。 海保:海上保安庁第11管区、国土交通省、外務省よりもっと上のほうから指示が出てる。 松川:その通達書は来たのか。 海保:そうではない。口頭で言ってきた。 海保:岸壁に係留されている船のロープをはずした時点で拘束する。 海保:漁船を出したらその船長を拘束する 。 海保:今回は漁業法を基づき、漁業従事者でない日本青年社が漁船に乗ったら船長を拘束する。 松川:日本青年社は100人以上の人が来るための準備も済んでいるし、経費を掛けているのだから漁船を出港させないなら岸壁でアピールすることはどうか。日本青年社は海保にも警察にも迷惑は掛けないと言ってる。 海保:それはそのときの判断になる。
※松川秀盛石垣市議会議員は、日本青年社を出港させるために漁船でなくフレージャーボートをチャーターするために動いたが海上保安庁は、どの船でも日本青年社を名乗る者が一人でもいたら拘束すると答えている。
- 同日、石垣社友会の玉城栄一代表は、日本青年社の出港が政府の圧力によって阻止されたことを知らず、漁船のチャーターに奔走していたが、総本部からの電話で出港ができないことを聞いて、海保は今朝までそんなこと言ってなかったと、直接海保に確認して日年青年社の出港が阻止されたことを知ったが、その時の電話の声は非常に落胆していた。
- 政府が海上保安庁に日本青年社の石垣出港させないよう圧力を掛けたとの報告を聞いている最中、テレビのニュース速報で中国漁船の船長が釈放されたことが流れた。
9月25日(土)
- 日本青年社は総本部に執行部役員を招集し、去る9月7日、日本領海内で中国のトロール漁船が故意に海上保安庁の巡視船に衝突した事件当日から現在までの経過と政府の圧力があったことを報告し今後の取り組みに関する緊急会議を行う。
9月27日(月)
- 日本青年社は、この度計画した海上行動が政府の圧力によって阻止された経緯を記して緊急報告の公開に踏み切る。