北方領土早期返還北海道
平成24年度「北海道キャラバン隊」報告


日本青年社統括長 大久保 叡

 今年の「北海道キャラバン活動」は、日本青年社が最初に取り組んでから27年を迎えた。この間に旧ソ連が崩壊してロシアが誕生して20年以上が経過した。27年という歳月は日本青年社が昭和53年に尖閣諸島の領土主権を主張するために決死の覚悟で魚釣島に上陸して灯台を建設してから平成17年に国家委譲するまで取り組んできた領土実効支配活動と同じ年数を刻んだと言うことになる。特に今年は札幌にあるロシア連邦総領事館を訪問して総領事と会談することができた。


【ロシア連邦札幌総領事館訪問概要】

 我々が、北海道に出発する段階ではロシア連邦札幌総領事館を訪問する予定でいたが、サープリン総領事がウラジオストックで開催されたAPECのためにロシアに帰国したために総領事館訪問を見送ることにしていたが、総本部からアメリカに滞在しているサルキソフ教授のご配慮により総領事が9月4日に日本に戻って9月5日に札幌の総領事館に入るとの連絡を受けたことから、当初の予定通り9月6日に山本正實総局長、松永勝男北海道奉賛会顧問そして私の3名が総領事館を訪問した。


 訪問時間は午後3時の約束だったが、予定より20分も早く到着してしまうとサープリン総領事とユーリー領事は執務を中断して早々に我々を迎えてくれたことから総領事に日本青年社の見解をしたためた親書を手交するとともに私たちの活動趣旨等を説明した。


 サープリン総領事は、北方領土問題を解決するためには日本青年社がおっしゃるように日ロ両国の国民世論と国民感情を変えていかなければならない。そのためには両国ともに政府とメディアが正しい情報を国民に伝えながら相互理解を深めることによって問題解決の道が前進するのではないのか。両国ともに領土問題は大統領や首相が決めるのではなく国民が決めるものだと思うが日本青年社の皆さんが取り組む民間外交が今後の経済協力、貿易、文化、教育等の交流につながり、強いては領土問題の解決につながるのでないかと確信していると述べた。


 又、サープリン総領事との会談の中で大変興味深い発言があった。それはロシア国民にも日本国に対しては日露戦争を始めとする多くの問題があるが、本来は隣国であり隣人として親しみを感じている者が多く友好的である。例えば先の戦争において日本人が抑留された施設周辺の村々の人たちは今も日本人に感謝している。それは当時のソ連時代はソ連人も食糧難に陥っており、抑留者への食事のために村々への配給が不足していたが、日本人抑留者が子どもたちに自分たちの食事を上げていたことを忘れていないとのことであった。


 そして、昭和63年頃、北海道知事とクリル地方共産党書記長の主導で、多岐に渡る交流会を交互にそれぞれの地域で開催することになり、その後4回ほど行われましたが日本側外務省の圧力でその後は行われなかったと言う。


 この話は初耳だったが、東京サミットの折、天皇陛下主催の晩餐会に招待された当時のエリツィン元大統領が、天皇陛下の前で左胸に右手を当て日本人抑留者について謝意を表したのに、日本のマスコミは一切報じなかった話題など、我々が認識を新たにすることも多々あった。


 最後に、今後の活躍を期待すると流暢な日本語で1時間15分にわたる会談を終えた。


 いずれにしてもロシアの政府要人と意見を交わす機会が少ない私たちは、この会談の正否は別として、日本の民族派としての役割の一環とした今回行われた総領事との会談を大いに参考にしながら、日本の立場を鮮明にして北方領土返還交渉を前進させる活動に取り組んでいくことを固く決意した。

 

◆キャラバン日程
8月30日(木) 18時30分 茨城県の大洗港出発
8月31日(金) 14時 苫小牧港到着
9月01日(土)

10時 札幌北海道神宮参拝
11時 札幌市内納沙布岬出発
14時 十勝川到着

9月02日(日) 12時 釧路到着
18時 根室市到着
9月03日(月)

9時20分 納沙布岬到着(除草と清掃終えて祈願祭挙行
17時 川湯到着

9月04日(火) 17時 苫小牧港到着
18時 苫小牧港出発
9月05日(水)

18時30分 大洗港到着 解散

9月06日(木)

14時40分 キャラバン隊より代表者三名がロシア札幌総領事館を訪問