北方領土問題
裏切りを繰り返すロシア政府を弾劾する「領土問題解決こそ平和の道」
平成12年09月19日
日本青年社総本部
領土問題対策局 局長 富施 光治
日・ロ首脳会談は9月4日、5日の両日、東京で森首相・プーチン大統領の間で開催され「声明骨子」を発表して終了したが、驚くべきことにプーチン大統領は「1997年のクラスノヤルスク合意について、2000年までに調印するとは書いてない」とし、北方領土返還にあくまでも反対との意見を表明、このことから「平和条約の締結は先送り」となった。
またもやロシア政府は日本国民を裏切った。
プーチン大統領は、1997年(ロシア・クラスノヤルスク)、1998年(静岡・川奈)での日・ロ首脳会談で合意した、「北方領土返還」を前提とした日・ロ平和条約2000年までに締結するとした合意を反故にし日・ロ平和条約締結には前提である「領土問題解決」の道筋を一歩的に破棄し、「領土問題こそ平和の道」を彼岸化して裏切りの道を繰り返した。その上、日本に経済援助を要求するという虫のよい「大国主義」「覇権主義」丸出しの日・ロ首脳会談となった。
振り返れば旧ソ連は当時有効だった日・ソ中立条約を一方的に破棄して、1945年8月8日に宣戦布告し、同9日にソ満国境を全線にわたって突破し、日本がポツダム宣言(1945年8月15日)を受託し終戦を迎えた3日後に北方四島を含む南樺太、千島列島を占領し、更に北・北海道を占領する計画だった。北・北海道については当時の米大統領(トルーマン)が旧ソ連に対し、「武力を行使してでもソ連の南進を阻止する」との声名で、スターリンがこの計画を断念した経緯がある。
今回のロシアの裏切りは、第2次大戦にドイツを分断し、その東を占領した上で、朝鮮戦争を仕掛けた侵略主義の本質を、旧ソ連のが崩壊して後も、依然として体質にしみこんでいることを示している。
また何度かの、日・ロ首脳会談で合意した領土問題を前提とした「平和条約締結」の道を、此の度の日・ロ会談で彼方に追いやった責任はプーチン大統領を始めとするロシア政府にあることは明らかであり、日本青年社は「ロシア政府を強く弾劾する」。
加えて、旧ソ連が崩壊して以来、戦争の火種は「民族問題」「領土問題」「宗教問題」に移行している現在、「日・ロ」の間では「領土問題」以外何の対立もないのである。
それも旧ソ連崩壊以降、日・ロ両首脳の「平和的解決」を前提とした粘り強い「交渉」で「本年」を一つの時代を画することで合意してきたのであるが、それをプーチンが一方的に破棄したのだ。それはロシアが「平和国家としてではなく、旧ソ連内のチェチェン紛争で明らかなように「武力解決」に道を選択している証拠でもあり、北東アジアにおいても、スキあらば「武力」をと示唆したといっても決して過言ではないだろう。
私たち日本青年社は訴える。
「日・ロ関係は、領土問題の解決こそが平和への道である」ことを。そのために、日本政府に要求する。
「安易な経済援助を打ち切る」ことを、そしてそのことを通して再度「交渉」することを。