総連各県本部委員長殿
主体93年1月24日
総連中央国際統一局
日本当局の《外為法改正》の動きに関連して
これに反対する対外活動を繰り広げるために
今、日本当局は《対北朝鮮経済》の一環として、現行《外為法(外国為替及び外国貿易法)》を一部変えようとしている。
この《改正法》が適用になれば、朝日間質易経済取引等が事実上、遮断され、在日同胞たちの経済活動と生活に深刻な影響を及ぼすこととなるだろう。
総連各本部では、法改正の本質と不当性を広く宣伝浸透して、これに対する対外活動を次のとおり広げなさい。
1、全ての本部は、自己の地方出身国会議員たちに対する要請工作を緊急に繰り広げるようにすること。−本部委員長たちと中央委員たちは、緊迫した情勢要求に合うように1月30日、総連中央委員会に参加する機会を利用して、自己地方出身の全ての与野党国会議員たちへの工作を集中的に進行するようにすること。
−次の週末、選挙区に戻ってくる国会議員たちに工作するようすること。
議員と直接会えない場合、選挙区事務所と後援会等の有カ者たちに必ず工作すること。
2、政党支部、日朝議連、労組、団体、地方自治体たちに対する要請活動、訪問工作を同時に繰り広げること。日本人たちが、自ら反対する声を上げ、日本当局に対する要請活動を広げるように工作すること。
※ 中央委員会時、或いは1月未までに要請活動、訪問工作結果を国際統一局に第一次報告すること。(別紙資料 添付)
資料1一【談話資料】
昨年末に地域協議会を通じてお知らせした内容を思い出しながら、次のような内容により、対象に合わせた要請をすること。
(以下、日本語により記載)
1、今回の《外為法改正案》が、2月のはじめにも通常国会で成立するという報道を見て大変驚いている。
改正案が成立し、特定の国に対する経済制裁を国際的合意や二国間の合意によらず、日本が単独で行うのはいかがなものか。
今回の改正案が朝鮮に対する経済制裁を想定したものであるということは、その準備過程(「対北朝鮮外交カードを考える会」が準備、救う会や拉致議連が早期実現を求めてきた)や政治家の先生方の発言から明らかだ。
6者協議や対話の流れに逆行するし、やりすぎではないか。
2.改正案が成立し適用されると、朝鮮に対し最悪のメッセージになるとの指摘もある。日朝間の懸案問題の解決が遠のくことは望ましいことではない。
とりわけ、私たちにとって切実な問題は、在日朝鮮人の生活に直接影響するということだ。
国にいる親戚への送金もできなくなる。物も送れなくなる。
私たちだけじゃなく、境港市など、日朝貿易をしている日本の業者も大変困ることになると思う。
もし、《特定外国船舶入港禁止法案》まで出てきたら、マンギョンボン号が止められ、朝鮮学校の生徒が国への修学旅行も行けなくなる。これは、家族、親戚の絆を断ち切る、由々しき人道間題だ。
3.私たちが憂慮しているのは、こんな重要な問題である改正案が国会で十分論議されないまま、予算審議を前に簡単に成立しようとしていることだ。
安全保障の問題は国の大切な問題ではあるけれども、私たちは、これからも日本に住み、日本社会で日本国民のみなさんと仲良く共存することを望んでいる。弱い立場にある在日朝鮮人の権利と生活を脅かすことになる改正案に慎重に対応してもらいたい。