国家存亡の危機!!
保守民族派は決起を!

平成22年6月4日

 我が国の危機は政権交代により、更に深刻なものとなりつつある。戦後六十五年、先人たちが敗戦の中から築き上げた「平和」と「繁栄」が今、音もなく崩れ去ろうとしている。しかし政治は「選挙」に歪小化され、国家の安全と国民の未来は語られることはなくなった。国家は国民が護り、育ててゆくものという意識を失った国民は、主体性を失い、「絵に描いた餅」を求めて右往左往している。今こそ我々民族派は国民に「覚悟」を求め、国家再生の大道を進まなければならない。


国家の安全と領土保全は最大の課題


 北東アジアは今や最大の火薬庫として全世界に認知されている。1950年に朝鮮戦争が勃発して60年目にあたる今年3月、黄海上で起きた韓国海軍哨戒艦「天安」の沈没事故が魚雷の爆発によるもので、それが北朝鮮によるものであると韓国側が発表した。これに対し北朝鮮は「デッチ上げ」と強く反発し、国際社会の非難に対し「報復」を宣言した。北朝鮮は韓国と(正確には国連軍と)60年間戦っている訳で、現在は休戦中にすぎないのだ。

  今回の沈没事件が昨年の11月の南北警備艇の銃撃戦の結果に対する報復であるとするなら、今後どのような重大な事件が起こっても不思議ではない。なぜなら北朝鮮は今年1月15日に「報復の聖戦」を宣言しているからである。日本にとってこのような南北朝鮮の対立のエスカレートが安全性を脅かすことは言うまでもない。 しかし日本の安全について更に切迫した問題は中国軍の日本周辺海域に於ける進出活動である。4月に中国艦艇十隻が沖縄本島―宮古島の間を通り抜けて沖ノ鳥島西方海域で活動した。また東シナ海で警戒監視中の海自護衛艦に対しての中国軍ヘリの接近飛行をおこなった。5月に入ると奄美大島沖での海上保安庁測量船に対し、中国艦船からの作業中止要求など、中国海軍の日本に対する挑発活動は止む事はない。これは日本の対応と米軍の対応を見極める為の挑発活動と見るべきであろう。

  民主鳩山政権が普天間基地問題で不必要な米政権との対立を招き、その収拾さえも出来ずに政権を放棄し、管政権にその難問を引き継がせたが、何一つ解決の方向をつかめないでいる。日本の中国に対する対応は生温く、今後も挑発はエスカレートしてゆくことが予測される。中国のこれらの活動の焦点は尖閣諸島であることは、明白である。

  中国海軍はかつて尖閣諸島に武装漁船団を送って日本を威嚇してきたが、現在は巨大な軍事費によって近代化された海軍が創設された。これらの軍事力により領土拡張を行おうとしている。中国の現在の国防予算は780億ドル(米国防費はその1.4〜2倍とみている)だが、複数の空母とミサイル部隊『東風」は日本の大半を射程においている。国防の名の下に日本攻撃の軍備を着々と整えているのである。これに対し我が日本の防衛力は予算として500億ドル、しかも戦うことが許されない自衛隊である。この実態を考えない日米同盟の弱体化は日本の命とりになる恐れがあることを認識すべきである。現在普天間基地問題を契機に日米安保不要論が浮上してきた。この問題に対して危険な方向は憲法改正なしの安保解消である。自国の安 全保障は自国民が行うのは当然であり、外国に国を護ってもらう現在の日本の防衛のあり方は考え直さなくてはならない。だが国防禁止の現憲法の改正なしに日米同盟を解消したら一体国益は誰が守るというのだ。


尖閣諸島を死守せよ

 我が国が中国との間に存在する領土問題は尖閣諸島である。昭和53年中国武装漁船群が突如として日本領海内に侵入し日本側の退去要求にもかかわらず、5日にわたり居座り続けた。日中平和友好条約交渉が再開される直前、4月12日であった。尖閣諸島周辺海域に莫大な量の石油資源が埋蔵されているという調査が公表され、資源の乏しい中国が突如権利を主張したものであり、許されぬ暴挙であることは明らかであった。しかし日本政府はこの問題を条約交渉で明確にしないで条約締結に踏み切ったのである。

 日本青年社をはじめ多くの民族派の同志はこのことに強い危機感を覚え「尖閣諸島上陸決死隊」を組織し、中国の暴挙と日本政府の弱腰外交に抗議したのである。日本青年社は第六次上陸隊として尖閣諸島魚釣島に上陸、直ちに灯台を建設した。8月12日奇しくも日中平和友好条約締結の日であった。以来27年間日本青年社は黙々と灯台を守り続け、平成17年2月9日の国への移譲が行われたのである。(これらの経過については殿岡昭郎編・著による「尖閣諸島 灯台物語」に記されているので省く。)



尖閣諸島実効支配の重要性

 領土問題において実効支配がいかに重要であるかは、北方領土、竹島をみれば一目瞭然である。更に領土紛争、武力衝突を防ぐものとしても実効支配は有効である。日本政府は尖閣諸島の実効支配を万難を排して継続し、中国の領土拡張の野望を打ち砕かなくてはならない。全国知事会での「尖閣諸島の帰属については日中でよく話し合い」などという鳩山前首相の発言は中国側を利するものであり許されるものではない。中国では来年7月16日に合わせ、尖閣諸島の領有権を主張する団体「中華保釣(尖閣防衛)協会」が世界各地の華人団体を結集し、世界各地から同島上陸を目指す「全球保釣大同盟」を結成する計画を推進していることを明らかにした。民間人の計画となっているが、中国政府が深く関わっていることは明らかで、このような動きを封じ込める運動を直ちに開始しなければならない。日本政府は世界の人々に尖閣諸島の領有権が日本にあることを訴え続けなくてはならない。更に先島諸島に自衛官を派遣し尖閣防衛体制を整備しなければならない。

 日本青年社は国民とともに尖閣防衛の先頭に立つであろう。