平成14年04月12日
日本民族のアイデンティティーは何処へ行ったのか。資本主義社会の根幹をなす銀行は「体力強化」と「企業融資」のために断行した国の公的注入を「一銀行」の生き残りのため使用し、「三月金融危機」はフタをしてしまったが、そのため「金融危機」はより一層深刻化しているのが現実だ。
一方、日本国の最高議決機関である国会とその議員及びそれをサポートする官界が腐敗の極みに至っていることが白日の下に晒されている。
田中秀征を落選させた日本国民
外務省の機密費の乱用にはじまる政界・官界は与野党を含め、それも最も総理に近かったと評判の高かった大物からしてである。これらの不祥事は常に「金銭」が絡まっている。官僚、金融界もまた「金銭」だ。
これで、小泉総理に日本国民の政治不信解消の処方箋があるのだろうか。同時にグローバル化社会で世界の首脳の信頼を得られるのだろうか。日本人が持っていたといわれる清潔・勤勉というアイデンティティーは何処へ実はいったのだろうか。私たちに求められていることは「日本人のアイデンティティーの再生」なのだ。このことを強く主張したい。そのためには戦後復興を果たした日本の庶民の姿である出発点に戻ることだ。
私たち日本人に鈴木宗男、加藤紘一、辻元清美を生み出した土壌の根は深いといわざるを得ない。これを根抵から覆すことは並大抵ではない。
これらは国会議員、インテリ、日本国民総体が真剣に一刻も早く克服するため懸命に「日本国の在り方」を考える時に来ていると私たちは主張する。
こうした「金銭」感覚についての具体例を一つあげる。
小泉総理は原点に帰れ!
この間の政・官・財の腐敗をみるたび、小泉総理は何をやったのだろうか。米国ブッシュ大統領には米国が喜ぶ「約束」をした、と仄聞するが、それ以外何の実績を積みあげたのか。確かに「改革、改革」を合唱するが、その具体策は示されず、日本の政治経済は底をついている。
例えば、義務教育「週休二日制」について、それが「学力低下」にならず、「学級崩壊」は消滅の方向性をとれるのか、何の具体策もいってはいない。救いは駿台、河合塾、など秀れた予備校が週休二日制に対応の態勢を築き上げていることだ。文部科学省には国際競争との視点が全くないのだ。こんな省を私たちは必要としない。
加えて、最悪なのは四月一日からのペイオフを含めた金融政策だ。国は公的権力を保持しているのだから、銀行への公的注入を国家管理として行うことは喫緊の状況にあるにも拘わらず、柳沢VS竹中を放置する閣内不一致を解消しないまま時をいたずらに過ごしている。
国会議員の不祥事にも他人事だ。こんなことでは、日本は本当に「ひょっこりひょうたん島」になってしまう。そして、外交についても日本はアジアの一員であり、サッカーワールドカップがすぐ日・韓共同開催で行われる。これは日本がアジア外交でイニシアティブを握る絶好の機会なのだが、アジア外交の基本方針が定まらないため、中国に足元を掬われかねない現状にある。
これらを総合的にみて、日本青年社は心から訴える。危機的状況に国家が機敏に対応し、自信を失っている日本人に誇り、アイデンティティーを復権させることが今、望まれているのだ、と。
日本人一丸となって危機を超克しよう!その総意があれば小泉内閣も口先だけとはならないと確信する。
平和ボケならぬ総ボケは許されない。
アジア唯一の先進国、日本の針路はアジアに軸足をおき、米国、EUと対等な関係を構築することが、日本の政治、経済、アイデンティーの復権を切り拓く道なのだ。
この間の国会、与野党などの政策論争、攻防をみていると、共産党は一貫した主張はしている。しかし、共産党の資金は党員、シンパからの強制的献金で成り立っている。同時に党の体制は北朝鮮とは完全に異なっているがレーニン組織論の誤りを更に歪曲した強固な「中央集権体制」を採りつづけ、自分の利に合わない時は徹底した批判を繰り返す政党であり、国民は日本共産党にダマされてはいけないのだ。 加えて、共産党には共産党の政策はあるが、実現性に乏しく、独りよがりに陥っている。
このため、「他党」への批判に終始し、日本的リストラに対処もできず、日本経済の未来に対し何の展望もできないでいる。共産党は共産党に変わりないと、ここに断言しておく。
相対的には田中真紀子と同じように田中角栄を見て来た小沢一郎が率いる自由党が一貫した主張とアグレッシヴな態度を採っているといえるのではないか。
確かに田中角栄に問題はあった。だが、彼には日本人の誇りとアイデンティティーがあったと今、実感するのだ。 とにかく、現在の日本政治・経済は未曾有の危機に陥っている。そのためには古い日本の「政治・経済体制」を破壊し、文字どおりの改革によって乗り切らなければならない時だ。特に政治家、資本主義社会を支える金融界の機軸銀行首脳が自覚を持って「改革の旗手」に立たなければならない瞬間なのだ。でも、私たち国民や日本青年社には、その改革の顔が全く見えない。
日本資本主義の空洞化に歯止めをかけ、日本人に誇りを復権させ、世界に発信する日本にするために、くだらない「エライ人」を切り捨て邁進する時に、今来ているのだ。そうしなければ日本国民が一番被害に遭う「恐慌前」を克服できない。そのために総力をあげよう!
小泉総理に退陣のすすめ
すでに触れてきたが、小泉総理においては日本がおかれている危機感が全くない。これでよいのかと問えば私たちはNOだ。
例えば引き続く不祥事に彼は「ご本人の意思を尊重する」との繰り返しで国会の本来あるべき姿である政策論争は何処へやら、証人喚問、参考人招致の話ばかりである。これはこれでよい。但し、小泉氏が一国の総理であり、与党最大党派の自民党の総裁であることに認識を全く欠いていることが、私たちにはもどかしいを通り越して、こんな総裁なら、指導性、方向性を示唆しないのだから不用だといわざるをえない。
YKKといわれた盟友、加藤紘一のとんでもない疑惑に対し、何らかの進言があるかと思うと「ご本人の意思の尊重」だ。
小泉総理に「悪事」があるのかどうか知らない。「悪事」は常にマスコミがリークして私たちが知る国柄だから。潔癖だとしたら「春の陽炎」ならぬ指導力に燃えることを国民、私たちは望んでやまないのだ。
例えば、辻元清美氏が議員辞職となった「秘書の在り方」を何故語ることができないのか。秘書の問題は長年に亘る問題で、議員による給与の天引き、幽霊秘書、小使いさんなど根が深いのだ。国会と国会議員の改革なくして「国」の再生はない。「ご本人の意思を尊重する」で済まされないのが一国の総理ではないか。
すでに若干触れたが、デフレスパイラルについて総理の指導力が発揮されたのか、と考えると疑問に思う。米国ブッシュ、中国朱鎔基にプッシュされただけでは何をかいわんやである。総理にはグローバル社会の一国、地域の在り方を何も学んでいないことをこの間証左してしまった。
総理が指導力を発揮したのは「田中真紀子外相更迭」くらいのものであり、私たちの食生活を脅かす狂牛病問題、生産地ラベルの貼り替えなど、農水省の不祥事にも「殿様」気分のようだ。
こんな総理はこの緊迫化している時代に不要だと主張しなくてはなるまい。