日本と台湾の歴史の真実を検証する(1)
平成19年 8月6日
日本青年社行動隊長/山憂連合代表
大久保 叡
八田技師記念室前で(筆者)私は、今年3月に行われた日本青年社政策推進会議において提起された北東アジア問題(対北朝鮮外交の検証と台湾独立日台親善をについて)が、これからの日本において重要なことであるとの思いに駆られ、この度台湾を訪問しました。また本紙に掲載する私の台湾紀行は、今回で終わるのではなく、これからも折をもては台湾を訪問し、かつて日本と台湾がともに歩んだ歴史の真実を読者の皆様にお伝えしてゆく事とします。
私の妻は、台湾出身者であることから、テレビや新聞で報道される台湾の出来事に強い関心をもっていますが、報道番組を見るにつけ、現実と違うと首を傾げては、台湾は独立国であると常々主張しています。
私はそんな妻の話しを聞くままに、現実については何も検証することなく安に台湾は独立国であるがごとく考えていた折、3月に行われた政策推進会議で台湾に関する問題が提起されたとき、「早急に台湾が独立を果たさなければ、台湾も日本も国益を損ねざるを得なくなる」と強く感じ、改めて台湾問題を考える決意をしました。
現在、中華人民共和国(以下、中国と言う)は、世界的覇権国家になるがための近海積極戦略を執っており、中国本土から5000キロ以上も離れた、南シナ海の果てまでをも、自国の領土、領海だといって主権を主張することによって、東南アジア諸国に圧力をかけたり、日本のシーレーンや、米国と東南アジア諸国との貿易にも影響力を及ぼそうとする戦略展開をしています。そして台湾も中国の一部だと主張しています。そのような中で台湾は、南シナ海の諸島の一つである太平島を実効支配をしていますが、日本領海である東シナ海でも、日本固有の領土である尖閣諸島を、自国の領土であるかのごとく詭弁を弄して主張し、東シナ海海域の海底エネルギー資源の確保、日本のシーレーン支配、太平洋(特に米国)の侵略路の確保を目論んでいます。
当然のことながら、台湾は中国が近海積極戦略を強行する地域の中心に位置している訳でありますが、私の妻は「中国は中華人民共共和国であり、台湾は、戦後に大陸から追い出された中華民国の蒋介石に支配されたものだが、1988年に蒋経国が死去した後に、台湾人の民意によって選ばれた李登輝政権が誕生したのだから、台湾は真の独立国である」「明治時代から日本という親によって育てられたのであり、台湾という子供が成長して、一つの家庭を築き上げて生活しているのだから台湾は独立国家であり、父親は天皇陛下、母親は皇后陛下、そして兄弟は日本国民である」、そして、このようなことは、祖父母に教えられ、現在でも多くのご老人もそのように思っているのではないか常々話しています。
私は、妻や妻の友人の話しを色々と聞いて勘案すると、戦略上、また経済的に、そして台湾国民が今も兄姉であると深い思いを寄せている、日本人として、台湾を中国の一つの省として見るのではなく、台湾は独立国家だと考えるべきであり、世界的にも台湾は独立国家であると国際社会に認知させなければならないと考えていますが、現実問題として現在の台湾の実状は、蒋介石、蒋経国時代の反日教育によって、明治以来、日本人とともに築き上げた伝統、文化、遺産などは、少しのものを残して破壊されたり、否定されているのが現実であります。
八田技師の銅像(後方はお墓)
そこで私は日本青年社の一員として、これからの台湾問題は、歴史の真実に基づいて再検証しながら、日本国民と台湾国民に広く、日本と台湾が歩んできた歴史の真実と、日本人の心を知ってもらうために、大正時代から昭和初期にかけて、台湾の農業水利、飲料水の資源開発に一身を捧げた、日本人土木技師、八田輿一が設計施工した、嘉南大?と烏山頭ダムを訪ねて来ました。
私が嘉南大?を訪問先に選んだ理由は、この烏山頭ダムの建設費の殆どを日本国民の税金から捻出して完成させた、当時、世界有数の大貯水池であり、現在も嘉南平野の農産物の生産向上と災害防止として大きな役割りを果たしており、住民の生活安定にも大いに役立っているからです。そして私の妻は嘉南大?の出身でありながら、その兄弟も、近くの嘉南大?を知らなかったこととにありました。そのようなことから、私はまず妻の兄弟に、かつて日本人が台湾に大きな貢献を果たしたことを知らせることによって、日本と台湾とがともに歩んだ歴史の事実を一人でも多くの台湾の方々に伝えて行きたいと考えたからであり、同時に台湾を日本と認めていない日本にも、台湾国民が独立の思いを強く抱いていることを日本国民にも知らせたい。そして日本青年社が日台親善と台湾独立を強く願っていることを日本と台湾の両国民に知っていただきたいと考えたからであります。
私は、今回、嘉南大?の烏山頭ダムを訪ねて、この大貯水池を建設し、今も語りたがれる日本人土木技術者・八田輿一の足跡と、かつて日本人と台湾人がともに築き上げた真の歴史の真実を検証の第一段として、更に歴史の検証をしながら読者の皆様に台湾紀行として報告させていただきます。
(2)へ続く