日韓関係の真実

 


日韓関係の真実
学校法人 日本航空学園理事長
日タイ合弁・21世紀文化教育財団理事長
梅 沢 重 雄 先生


1、現状
 最近は頻繁に北方領土、竹島、尖閣諸島のことや、北朝鮮のミサイル発射、中韓合同軍事訓練、ホルムズ海峡石油輸送の安全確保等の領土、領海、国際諸問題がメディアを賑わせています。
 関係国の領土をめぐる見解や主張は大きく異なり、領土問題であるかどうかさえ見方が分かれています。
 このような時ほど、国論を統一して国民の代表として政府は関係各国と堂々と交渉しなければなりません。
 与党はほぼ統一見解を出していますが、野党やメディアは一体どちらの国民なのかと耳を疑うような発言まであります。昨年と今年にかけて、日本はIWC(国際捕鯨委員会)から脱退しました。韓国海軍の軍艦が、海上自衛隊の偵察機に軍事攻撃一歩手前の火器管制レーダーの照射を行いました。
 日本は「防衛計画の大綱」で、空母機能を持つ艦艇を海自が保有することが発表されました。二月一日島根県の漁船がロシアの警備艇に連行され、十人が拘束されました。そのような中で参議院議員選挙が行われましたが、殆ど憲法改正の議論は行われず、興味のわかない選挙戦でした。
 愛知トリエンナーレという三年ごとに開かれる芸術祭があります。公立美術館で展示不可になったものを展示するものです。慰安婦像、昭和天皇の顔写真を焼いているところが展示されました。メディアに出ると批判が殺到し、取り下げられました。芸術作品かどうか問題があります。愛知と名古屋で十億円予算を出しています。自治体が税金でやるべきことではないのです。宗教の中での神、日本のシンボル天皇を侮蔑するのは、批判や抗議があり当然であり、欧米や中東でやれば戦争テロの攻撃材料となり、テロリストの攻撃対象となります。
 津田大介氏が芸術監督に就任、朝日新聞の論壇に登場しています。学者でもない人が主導して、日本は悪い国と訴え、天皇を侮蔑する行為を発表することが、日本の文化、芸術なのでしょうか。そうではないと私は考えます。
2、韓国との関係悪化とその対策
 まず第一に、日本での新天皇陛下の誕生を伝える韓国のメディアは天皇のことを「日王」と呼んでいます。中国、台湾、シンガポールなどの漢字圏では、日本の呼称通りに「天皇」であるし、英語圏でもエンペラー「皇帝=天皇」ですが、韓国だけは以前は「日皇」今は格下げして「日王」と呼んでいます。反日感情からきていると思いますが、無礼千万です。
 第二に、河野談話、村山談話のような韓国や左傾の人への迎合談話を次世代に負の遺産として背負わせるのは無責任です。談話を否定する談話を出すべきです。
 第三に、韓国の最大の弱点は「経済」です。韓国は「三星」や「現代」はウォン高で苦しんでいます。しかもここに来て日本企業が韓国から手を引きつつあります。今年一月から九月間の韓国への直接投資額は十億ドル、前年同期比で四十%減少しています。日本企業撤退の契機は新日鉄、三菱重工など日本企業に戦時中の徴用工への賠償金命令を下した判決です。
 一九六五年に日韓基本条約締結時、日本は八億ドルもの巨額な賠償金を韓国に支払いました。当時の韓国の国家予算の二倍に当たります。この条約締結時に「完全かつ最終的に解決」と明記されています。この予算は漢江の奇跡を生んだと言われました。漢江に鉄橋がかかり、製鉄所が日本の主導で完成し、国家的な利益を得て韓国の独立に貢献しました。従って、今日本企業に賠償金を払えというのは「ゆすり」「たかり」にも似た主張です。
 対策としては、韓国には日本のようなメガバンクはありません。日本企業から直接賠償金として不当に取り立て、「天皇は謝罪せよ」などと無礼な主張をするならば外貨準備高が少ない韓国は日本の金融機関が手を引けば即資金ショートすることでしょう。韓国の政府系金融は、日本の民間金融機関が支えているのは事実です。この時韓国企業は一日にして潰れることも考えられます。従って「お陰様」という精神を学んで欲しいものです。儒教の国ではなかったのでしょうか。そうでなければ数十兆円にのぼるODAをすべて返金してほしいものです。
3、日本の対応は正しい
 日本政府は半導体関連三品目の対韓輸出優遇除外を決めました。
 日本が信用して韓国に輸出した軍事転用可能な戦略物資が、北朝鮮やイランに横流しされている可能性が極めて高いと見たのでしょう。二〇一六年から今年三月までに摘発された一四二件のうち、六十八件が生物・化学兵器の転用可能な物資でした。金正男氏殺害に使用されたVXガスの原料が中国やパキスタンに流れていました。輸出優遇除外は、決して韓国への差別ではありません。国際社会の一員として、戦略物資がテロ国家に流れないよう努力する義務があるのです。
 これまで韓国はホワイト国として優遇されてきました。その特別措置が見直され「普通の国」扱いになっただけの話です。日本のメディアは正確に報道しないと世界が誤解します。「徴用工判決の対抗措置」と決め付ける韓国に理解と協力をしているメディアは間違っています。
4、常識が通用しない国
 三月初め、左右の良識的な知識人五十人が街頭に集まって慰安婦像と徴用工像の撤去を試みました。これも、日本のメディアは伝えていません。
 運動の理論的リーダーは、経済史学者でソウル大学前教授の李栄薫(イヨンフン)です。
 彼は新著「大韓民国危機の根源、反日種族主義」で、「慰安婦は性奴隷ではない」「戦時労働者は奴隷ではない」「日本統治時代に韓国の近代化は進んだ」とまっとうな認識を示した上で、いまだに歴史問題を持ち出す韓国政府を批判しています。
 韓国人による韓国批判は珍しくないものの、ほとんどが日本人向けです。李先生たちは、事実の基づかない歪んだ反日を克服しない限り韓国の未来がない、と韓国国民、特に若者に向けて警鐘を鳴らしています。「反権力」が好きなメディアは、文政権に果敢に立ち向かう保守派を大々的に取り上げるべきです。
5、日韓合邦の真実
 極東国際軍事裁判で刷り込まれた三つの原罪の一つ、侵略戦争でないことは、既に知られていることです。次に植民地支配の罪ですが、日本には欧米式の植民地は一つもないことを次に実証します。
 欧米の白人たちは、地球の反対側まで侵入して、武力で原住民を殺戮し、或いは奴隷化し、自国の利益のためにだけ侵略、略奪行為をほしいままにしました。日本のそれは、すべてお隣の土地と住民を武力でなく条約によって合法的に合併したものです。ひとは隣家に賊が入ったり、火事になれば、次は自分なので、自衛のために協力して立ち向かうのは当然です。隣国は日本にとって生命線だからです。白人の植民地は非白人を支配したものですが、日本のそれは同じハダ色の近隣人を同化したもので、同等に論じてはなりません。
 朝鮮半島に清国が侵入してきたのを追い払ったのが日清戦争、やがてロシアが侵入してきたのを追い払ったのが日露戦争です。両役は日本人が血を流して朝鮮半島を守ったものです。だからといって、朝鮮を直ちに併合したのではありません。台湾と樺太は両役の賠償として合法的に譲り受けたものです。
 朝鮮との合邦については当時日本の元老伊藤博文は終始反対していました。何故なら台湾の植民地経営の経験から、天皇の「一視同仁」皇民思想で日本人と同じ生活レベルを引き上げるため、教育、鉄道,病院など民生の向上に莫大なコストがかかるからです。
 東西ドイツの合邦、南北朝鮮の合邦では、豊かな国の方は相当の持ち出しを覚悟せねばならないからです。日本は日露戦争で、莫大な戦費を浪費し、さらに貧国の合邦コストを負担できる状況ではありませんでした。日本の方針は、隣国朝鮮が自力で近代化し、最も親しい友邦として、共に外敵に当たれるよう独立支援体制を整えようと努力しました。
 その矢先、親ソ派のテロリスト安重根が日露戦争終結の四年後の明治四十二年十月(一九〇九)、ハルピン駅頭で伊藤博文を暗殺するという大事件が起こりました。これに当の朝鮮側は震え上がって驚きました。日清、日露戦争に勝つ程の大国日本の元老を朝鮮人が殺してしまったから、睨まれたら大変、と心配していました。
 かくて朝鮮の伝統的民族である「事大思想」(より強い者に従うのが得)から、この際日本と合邦した方が有利、という運動が民衆の中から盛り上がりました。なかでも李容九の「一進会」は百万人の署名を集めて合邦請願運動を起こしました。日本政府は合邦に極めて慎重であったが、清国、英米など列国が東アジア安定のため必要と皆同意しました。(当時、朝鮮半島はバルカン半島と言われて動乱が絶えなかったので)。
 当時の朝鮮には勿論親日派だけでなく、親ロ派、親清派もいたが、多数派の親日派の世論に従って日韓合邦が選択されたものです。この時親ロ派に従っていたら、今の北朝鮮のような悲惨な共産国になっていたし、親清派につけば、今の中国のようになっていました。日本についたお陰で、今日韓国はアジアで日本に次ぐ繁栄を享受し、オリンピックもアジアで日本に次いで開くことができる程の大国になれたのです。日韓併合は韓民族も歴史にとって正しい選択だったのです。
 日本の統治政策は、近代化と同化でした。そのために社会資本は整備され、ハゲ山を緑に戻し、生活の向上を計りました。中でも教育の普及が韓国の近代化に与えた影響は見逃せません。昭和十一年には、一面一校(一つの村に一つの小学校)が完成し、二五〇〇の公立普通学校ができました。優秀な学生は、内地の大学でも士官学校へも差別なく進むことができました。京城帝大は、大阪帝大、名古屋帝大より先に創設されたほどです。白人の植民地で教育を施すなど考えられません。住民を利口にさせると宗主国に謀反を起こす心配があるからです。
 当時両民族の間には内朝融和、運命共同体という言葉がはやりました。内鮮結婚も奨励され、明治天皇の孫にあたる梨本宮の皇女方子(まさこ)様を李王家に嫁がせ、彼女は韓国人に慕われ生涯韓国のために尽くされたことは有名です。韓国の福祉運動に献身され、韓国のマザーテレサと慕われました。
 反日家が日本の植民地の悪政の一つとして「創氏改名」を持ち出しますが、事実に反しています。上から押し付けたものではなく、下から進んで願い出たものです。日清・日露に勝った国の日本名なら大手を振って大陸に進出できたからです。日本士官学校を出て陸軍中将にまでなった浩思栩や、日本の国会議員になった朴春琴など朝鮮名のままで通していることが分ります。
 さて戦後不幸にも韓国は極端な反日国家になってしまったのは何故でしょう。それはマッカーサー占領軍が進駐し、抗日の闘志李承晩を米から連れてきて大統領にし、東京裁判を有利にするため、日帝三十六年の日本の悪業を捏造し、反日を国是とし国民の反日感情を煽ったからです。
 日本には江戸時代から明治以来、一貫して反韓思想も反韓運動もなく、親韓国なのに、隣国が一方的に反日政策をとることは不幸なことです。韓国で日帝三十六年を反日のスローガンにしていますが、実際は三十四年数ヶ月です。それを都合よく切り上げ、四捨五入をつかって三十六年にしたものです。このような明らかなウソを平気でつく韓国のやり方は信用できません。
 歴史的真実を今こそ日本国民は知り、本来の仲間である韓国との関係改善のために政府は正しい歴史を主張して欲しいものです。具体的には竹島の日本領土としての正当性、靖国神社の正義、教科書検定の正当性等をしっかり内外にアピールすることが大切です。
6、国力とは
 国力=経済力=精神力です。いつまでもアメリカの弱体化政策に基づく憲法を大切にしては、我が国の子孫は外国の属国奴隷にされる恐れもあります。日本をしっかり護る体制をつくり、技術立国として工業製品等の生産力を増進し、外貨を稼ぎ、観光立国として風光明媚な日本に世界からの観光客を更に増加させることが肝要です。正しい歴史を教え、日本の伝統文化を後輩に引継ぎ、日本の誇りを持たせ、この誇りを守るためには命もかける覚悟を持った若者が養成されてはじめて安心してこの世を去ることができます。
 国力とは軍事力と経済力と精神力の積です。どれがゼロになっても全てがゼロになってしまいます。このバランスを持つためにも、早期に憲法を改正し、真の自主独立国としての日本になりたいものです。