特別講演
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皆さん今日は、ご紹介いただきました危険人物の田母神でございます。ずいぶん危ない奴だということでマスコミで叩かれてはいますが私は本当は、いい人 なんです。五分十分話をしていると本当にいい人だとすぐ分かるんです。宜しくお願いします。 今、日本では色々な問題が起こっても上司とか上官とかは皆問題を隠すということに頑張ちゃうんです。それが行き過ぎて今はともかく問題を起こすなとい うことになっちゃう。そうすると、おまえ何を問題起こしてるんだ、問題が起きると俺が困るじゃないか、問題を起こすなという指導が官公庁でも会社でも大 体共通してますね。 政治も、総理大臣をはじめ各大臣がそのような方向になると下についている者は戦えないんです。何かやろうと思ったら必ず問題が起きたり摩擦が生じます。 その時、問題を起こすなと言ったろうと言われると、何にもやらない方が一番いいということになるから何の問題が起きません。今、立法はですね総理大臣を 初め皆問題回避症候群という病を患っているようなものだと私は思っているんです。 総理大臣の靖国参拝がその象徴です。なぜ靖国参拝ができないんですか、中国や韓国が文句を言うから、最近アメリカも文句を言うからということのようで すけど、これは結局日本という国は圧力をかければ必ず言う通りにする、必ず言うことを聞くというふうに受けとられるわけです。だから総理が靖国参拝をで きないうちは日本にどんどん要求しろ、理不尽な要求も必ず通るからというふうに思って中国や韓国も無理難題を常時言い続けるわけです。私は靖国参拝がで きないようでは本当に日本を取り戻すということができるのかな、多分できないのではないかと思うんです。だから靖国参拝がそのような象徴として捉えられ ているといることをもっと考えるべきではないかと思うんです、総理が靖国神社に一年に一回くらい行くから文句が出るんです。国会に登庁する前に靖国参拝 してから国会に行ったらいいと思います。毎日行けば中国も韓国もくたびれて文句言わなくなりますよ。そのぐらいやったらほうがといいと思うんです。(中 略) 靖国参拝しないというのはやはり心の中が何らかの間違った唯物史観に冒されていると、戦後の日本はこの歴史観の誤り、これが本当に大きく影響して今な お立ち上がれないという状況にあります。世界の国の中で自分の国が悪いことをしたとか、悪い国だとか教えている国は日本以外にはないです。こんな国は本 当にないんです。異常だということなんです。これは日教組とかいうこの反日団体が、まだ何の判断力を持たない小学生や中学生の教育をするわけですからお かしくなるわけですが、これはアメリカ占領軍が意図的に作ったんです。 アメリカの占領政策は素晴らしいものだったというふうに私たちは戦後教えられてきたきらいがあるんですけれど、実はアメリカの占領政策は日本国民に とっては大変厳しいものだったんです。日本国民にとっては大変ひどいものでした。よくいわれる農地解放とか財閥解体とかは日本の国のためにあったと習っ てきたんです、だけどアメリカが日本国民のために頑張ってくれるわけないんです。農地解放、何のためにやったんですか、それはアメリカの農作物を売りや すくするためです。昔は地主がいて地主が何を作るかを決めてたんです。それで小作人はそれを作る作業に携わっていたわけです。しかし地主が小作人をいじ めてるとか、いたぶってるとか、搾取してるとか、そういう状態は日本にはなかったんです。これは西洋的な意味でいうと使われる者と使う者、こんな差別が あったわけではないんです。日本みたいな平等な国ってないんです。西洋でいえば、皇帝と国民という対立状態にあります。皇帝は人民を取り締まる側、日本 では天皇陛下が国民を取り締まるなんていうことはありえないわけです。国民はみんな天皇陛下を愛し、天皇陛下もまた国民の幸せを考える、そういう国が日 本なんです。だけれども全く間違った西洋の歴史認識のもとで戦後の日本が作られてきたんです。 財閥を解体しておけば日本の会社や資本が乗っ取りやすくなるからやっただけの話です。全部アメリカの都合でやってるんです。ごく身近なところで占領下 では全国で公民館が八万以上造られたんです。これは日本国民に神社で集会をやらせないためです。神社というのは、大体、山の上とか不便なところにありま す。それで公民館はそれぞれの地域の街の中に造られたわけです。すると集会をやろうというとき神社とかお寺に集まって集会をしたのが昔の日本でした。だ けど日本人は神道をバックにして神社を中心に団結をするから、神社と日本人の関係を切り離してやろうという占領政策の意図のもとに数多く造れたのが公民 館なんです。(中略) またアメリカは、日本からタダで留学生をどんどん受け入れたんです。ウルグアイとかも受け入れたんです。それでアメリカに行って三年ぐらい生活をして 帰ってくるとですね、当時日本は貧乏です。アメリカは豊かです。そうすると、アメリカっていい国だ。セントラルヒーティング、そして自動車は大きな車に 乗ってる。日本には自転車しかないころにです。みんなアメリカナイズされて帰って来るわけです。それで帰ってくるときはアメリカは素晴らしい国だ、日本 もアメリカになろうということで帰って来るんです。 経済的にはそれでよかったかも知れませんけど、アメリカ信仰が始まっちゃうんですね、だから帰ってくるとき、留学生は大体名前を変えてから帰って来る んです。殆どの人が名前は竹中平蔵になって帰って来るんです。それで帰ってきたら日本をぶち壊そう。これでは日本が強くなるわけないですね。 小泉総理、竹中平蔵この二人がやった改革です。三十年前にやった改革です。日本では改革、改革が叫ばれて、改革なければ成長なしとかいわれて色んな改 革が行われました。法律がどんどん変えられました。それとで日米構造協議というのがあって、アメリカの要求のもとに変えられたのが殆どです。 一九九三年に宮沢・クリントン会議というのがありました。ここで年に一度、日米関税構造改革要求書を交換しましょうということが決定をされました。翌 一九九四年から年に一度「年次改革要望書」と呼ばれる構造改改革要求書の交換が日米間で行われるようになりました。アメリカは日本のことを大変良く調べ て、日本の役人まで使って良く調べて、ここを直せ、あそこを直せということを一年間でA4に五〇枚ぐらいで日本に要求しました。この年次改革要望書、今 もネットに載ってると思いますけど、本当に良く調べて要求しています。郵政民営化がそうです。それで日本もお互い様ということで一応要求はしてるんで す。日本の要求は日本の外務省のHPに載っています。アメリカの要求は東京にあるアメリカ大使館のHPに載っていたんです。そしたら日本の要求というの は殆どアメリカの構造を変えてくれという要求ではないんです。パスポートの申請が一箇所では不便だから二ヵ所にしてくれないかとか、その程度の要求なん です。だから結果的にはアメリカから一方的に要求されて、そして日本がアメリカの都合のいいように改造されていくという状況が続いたんです。そしてこれ が二〇一〇年まで続きました。 その後また話合いが始まっていますけど、郵政民営化で何か良くなったんでしょうか、全くいいことないですね。アメリカの郵便局は今も国営です。アメリ カは国営だけど日本は要求されて民営化になっているということです。郵便局みたいな優しいシステムは中々できません。それで郵便局が銀行の経営を圧迫し てるとかいわれましたけれど、郵便局があるときも日本の銀行は世界のベストテンに五つも六つも入っているという状況だったんです。(中略) 年次改革要望書でアメリカから要求されると、その殆どを日本は法律でアメリカのいう通りに直してきたんです。では改革とは何だったのかというとアメリ カによる日本改造ですよ。日本政府が先頭に立って日本の強いところをみんな壊しちゃった。日本政府が先頭に立って日本のぶち壊しをやってたというのが改 革の正体だと思います。だから日本が弱くなったんです。 三十年前の日本国民は八割以上の人がアンケートをとると「俺は中流」と言ってました。みんな生活が間に合っていました。だから中流と言えたんです、今 はどうですか、今は三十パーセント台、「俺は中流」というのは三分の一の人しか生活が間に合ってないということですから。ではー日本っていい国に向って るんですか、全くいい国に向ってないじゃないですか。これは雇用の問題もあって終身雇用とか年功序列が壊されたことが、私は大きな原因になってると思い ます。 日本は昔、真面目に仕事をしていれば生活は何とかなるんだという安心感にを支えられていたんです。でも今は一生懸命やっても、いつリストラされるかわ からないという状況でみんな働いているわけです、これでは中々結婚も進まないしできないですね。少子化にもなっちゃいます、やはり生活が安定するという ことは何をやるのも基盤になります。だからそれがどんどん崩されてきたということです。(中略) その根本には、アメリカに日本の国を守ってもらっているという状況があるわけです。いま自衛隊がありますけど、自衛隊の戦闘機ミサイルシステムあるい はイージスシステムとかこういったものは殆ど主要兵器がアメリカ製なんです。アメリカの兵器を買うということはですね、その兵器を使っている三十年四十 年間、例えばF15という戦闘機を四十年間使うとすれば、この四十年間これを作ったアメリカの会社の持続的な技術支援を受けないと戦闘機は戦闘機として の能力を発揮することができないんです。そして近年の戦闘機の能力の半分はソフトウェア、半分以上ソフトウェアーといっていいと思います。F15という 戦闘機、米軍も航空自衛隊も一緒に使っています。見掛けは一緒ですが中身が違います。 アメリカはソフトウェアで二ランク三ランク能力向上ができたときに古い遅れたバージョンのF15を日本にリリースするということなんです。だから日本 の航空自衛隊のF15と米軍のF15が戦闘しても航空自衛隊のF15は勝てないということです。これはアメリカが悪いんではないんです。あたり前なんで す。アメリカの戦闘機を買えばあたり前です。自分の国と同等のものを他の国に輸出することはどこの国でもないです。イギリスだってロシアだってフランス だって他の国に兵器を売るときは必ずソフトウェアで能力を落としてから売るんです。だから世界最高のものは国産でなければできません。 それで戦後の日本はですね兵器国産化を目指して自衛隊が努力してきたんです。ライセンス国産という方式です。(中略) このライセンス国産という方式は、アメリカから出来合いの戦闘機を買ってくることに比べると値段が二倍かかるんです。出来合いのものを買ってくれば日 本国内に戦闘機の製造施設を作る経費は省けます。だけどライセンス国産は国内で作りますから日本国内に製造施設を作らなければなりません、試験場も作ら なければいけません。そうすると経費が二倍になるんです。それでも主要兵器の国産化ができなければ結局自衛隊の戦力配備が自立できないわけです。アメリ カ軍に押さえられたままになります。 アメリカの戦闘機を使うということは、暗号、敵見方識別装置、それもアメリカが作ったものしかはまらないわけですからアメリカのものをそのまま使うこ とになります。今現在、航空自衛隊も韓国軍もアメリカの暗号、アメリカの敵味方識別装置、アメリカの情報交換装置、データもそのまま使ってます。だから アメリカは如何なる意地悪もできるんです。暗号をちょっと変えれば情報交換ができなくなったり、敵味方識別ができなくなったりそういうことになるという ことです。だから、そういうことで戦力配置がアメリカに握られているという状態にあるんです。 これを解決するには十年二十年掛けて国産の戦闘機、国産のミサイルシステム、その他の装備仕様を作っていかなければ自立できないですね。軍が自立しな い限り国家は絶対に自立できません。国家の自立と軍の自立はほぼ同義語だと私は思っています。それで鳩山由紀夫さんが日米対等だと言ったことがありまし たけれども、対等になんかすぐにはなれないです。心がけで対等になれるわけないんです。軍事力を完全に握られているわけですから、だから軍事力で自立を して、そのあとに対等だということにしなければいけない。今、私がアメリカの悪口を言っているように聞こえるかと思いますけど、別にアメリカが悪いわけ ではないんです。日本がきちんと対応すべきなんです。アメリカは今の世界一の経済力、世界一の軍事力を持ってますから真っ向からアメリカと喧嘩して何か やろうというのは非常に難しいです。それはいい選択では現段階ではないと思います。だからアメリカと上手くやりながら自立を目指すべきだと思うんです。 でも全くその方向に行かないんですね、今度イージスアショアというミサイル迎撃システムが陸上自衛隊に入ってくるんです。私はこんなものよりは攻撃兵 器を買ったほうがいいと思ってるんですけど、イージスアショアは一昨年安倍総理がフロリダに行ってトランプ大統領の豪華別荘に泊めてもらったときに決 まったらしいんです。陸上自衛隊とか航空自衛隊がイージスアショアを入れるということを検討した結果、これは入れたほうがいいことで買うことになったの ではないんです。日米のトップ会談で決まったんです。 このイージスアショアは一基一千億ということで始まりましたけれど現在三千億になりました、私の自衛隊の経験ではアメリカのものは大体最終点で五倍に なりますから五千億ぐらいになるんです。 それが二日間泊めてもらって導入が決まったんですが、このようなことを政治主導で決めるのは最悪なんです。日本がイージスアショアを買うと決めて、こ れは軍同士でサインの調整をさせましょうとなると、アメリカ軍は全く陸上自衛隊がいう条件を呑んでくれません。なぜか、買うの分かってるからです。今、 一基三千億になりますから、二基だったら六千億の予算を付けるんですが、日本の場合単年度予算なんです。ですから三月末までに予算を執行しないと流れる んです。そうすると防衛費がその分だけ無くなってしまいますから流すわけにいかないんです。アメリカはずーっと粘るんです。予算が成立して四月から次ぎ の年の二月まで粘るんです。日本の条件は呑んでくれない。それで二月ごろになって予算執行できないからしょうがないということで、アメリカのいう条件で 覚書を交わすしかないということになって、いつも高いものになっちゃうんです。それで条件も悪いものになります。だから安倍総理がトランプ大統領の豪華 別荘に無料で泊めてもらってよかったではないんです。一泊五千億かかってんだあれは(笑い)、そういうような状況だと私は思います。 私は防衛装備費の導入するにあたって政治主導で決めるのは最悪ですよと、これは現場で交渉して現場で折り合いがついたら導入しますといってもらわない と困りますと何度か申し上げています。 あのグローバルホークという無人偵察機があります。これは無人ですからかなり危険なとこまで情報収集に行けるんです。その変わりリアルタイムで即時に 地上に撮った情報を送ってますから、いつ撃墜されても撃墜されるまでの時間の情報は残るわけです。それで航空自衛隊にこのグローバルホークが入ってきま す。でも航空自衛隊に入ってくるグローバルホークはリアルタイムで情報を送れない形で入ってくるんです。いま変わったかどうか分かりませんけど、そうい うことなんです。 これもし航空自衛隊が米軍と最初に交渉していれば、リアルタイムで情報を送れない形にした機体でしか売れないといったら、そんなものだったらいらない と言いますよ。 そうすると向こうは売りたいから何とかして付いた予算の中で売ろうとするんです。これなら有利に契約できるし買えるでしょう。 でも上で買うことが決 まってると呑まない。買うのが分かってるから、その予算を使ってくれるの分かってるから。 航空自衛隊のグローバルホークという無人偵察機は四十八時間飛んで四十八時間分のデータを抱えて地上に降りてきます。じゃあこのデータをどうするのか というと、データの解析はアメリカの会社に頼む、ソフトウェアの中身が良く分かりませんから頼まざるをえないですね。そうするとアメリカの会社は解析し たデータを航空自衛隊に一〇〇パーセント返してくれるんでしょうか、多分返してくれないなと私は思います。米軍部に一〇〇パーセント返すんです。すると 米軍は、これを抜いてから航空自衛隊に渡せというに決まってるんです。情報の世界そんなものです。だから航空自衛隊って誰のために金をかけて偵察してる んですか、アメリカ軍のためですか、こんな馬鹿なことないでしょう。 これが政治主導の結果なんです。政治主導でなくて自衛隊に決めさせてくれれば、こんことには私はならないと思います。現場で使う人たちは、どういう形 になるのかということを考えますから。そうは言いながらもアメリカとの関係は上手くやっておかないと、中国とかから意地悪されるんでね。 (次号に 続く) |