平成15年11月22日


 第六回目の「教養講座」は十月二十六日さいたま市「埼玉会館」に於いて午前九時三十分より開催された。

 まず、受講者全員にて教育勅語を御奉読した後に、鎌田委員長より前回の講座における教育勅語の「克ク孝ニ」から「爾臣民 父母ニ孝ニ」までの復習を行った。

 次に教材である「教育勅語絵巻物語」の他に「修己治人論」が紹介された。

 この「修己治人論」は儒教の教えの中の体験・体得・体現であるが、日本民族は教義・教典より、これらを取り入れたのではなく、自分自身が生活の中で物事を噛み砕き、体験・体得・体現していると話した。

 鎌田委員長は、現在の社会状勢の中で道徳などを教えても結果を出す事は難しいが私たちがすべき事は自己の研鑚であり、足跡、形を残す事が大切であるとも話した。

 そして、教育勅語の「兄弟ニ友ニ」から「朋友相信シ」の範囲に触れ、「兄弟ニ友ニ」の項では中心帰一の精神であり枝葉の精神であって日本人の人格の形成に役立ち「夫婦相和シ」の項では内助の功、また潔さという事を現在の日本人も心掛けなければならないと話した。

 そして 「朋友相信シ」のこうでは、まさに武士道の精神であり「勇は義の相手にして裁断の事也、道理に任せて決定し猶予せざる心をいう也、死すべき時に死し、討つべき時に討つ事也」「上の重んずる事は節義なり、節義は例えていわば人に骨切る如し、骨なければ首も正しく上にある事を得ず、手も物を取る事を得ず、足も立つ事を得ず、されば人は才能ありても学問ありても節義なければ世に立つ事を得ず、節義あれば不骨不調法にても士たるだけの事は事欠かぬなり」格言を理解し、行いを示し形に残す事が大切であると話した。