平成26年 第38回
タイ王国カンチャナブリ県「平和祈念公園」海外活動報告
春季大祭を終えて平和祈念公園 各県奉賛会
会長 千 葉 州 時
わが国が戦後50年を迎えた平成7年(1995年)、タイ王国カンチャナブリ県に建立した「神道平和祈念公園」は今年で19年を迎えました。
タイ王国ではラジオやテレビ等のメディアが「シントーパーク」として特別番組を組むほどの観光地となり、日本文化を学ぶタイ王国の学生やカンチャナブリを訪れる世界各地の観光客が立ちよる公園として広く知られているばかりでなく、タイ政府がカンチャナブリ県に数ある先の大戦の「負の遺産」の1つとして世界遺産登録の申請手続きを進めている旨を県知事から聞いています。
この平和祈念公園において、5月18日(日)第38回春季大祭が厳粛に執り行われました。
式典は、日タイ両国の国旗とアジア和平日本委員会旗の掲揚に続いて、タイとミャンマーで学生の農業指導に取り組む宮川照男先生が紹介されました。
代表挨拶では群馬奉賛会の岡本芳己氏が「ここはかつてジャングルであった土地を開拓して完成した世界に平和の大切さを発信する平和祈念公園であるが、世界では民族、宗教の違いから多くの血が流れている。このような争いをこの地に眠る英霊は決して望んでいない。私たちは、この公園を守り戦争のない世界の永遠の平和を実現させなければならない。そのために私たちは今まで以上に力を合わせて頑張らなければならない」と挨拶し、司会を務めた大久保氏が、平和祈念公園建立の意義と経緯について発表しました。
神事は日本から同行した桑井川神社の神官による祝詞奏上、奉賛会員による献上詞奉読、各県奉賛会代表献花が行われました。
最後にアジア和平日本委員会副会長の小林明氏が「平和祈念公園は建立から19年、来年は20年を迎えます。今やアジアの大地から世界の恒久平和を祈るシントーパークとして世界に知られるようになった。(中略)平和祈念公園は未来の人たちにしっかりと譲り渡していかなければならない」と挨拶しました。
また、来年の平成27年は、戦後70年と平和祈念公園建立20年を迎えることを機に、私たちは平和祈念公園から、わが国が悠久の歴史の中で育んできた世界に誇る崇高な精神文化を世界に明らかにするとともに、戦後日本の誤った歴史認識を盾にして日本タタキを強化する中国、韓国のプロパガンダがいかにウソで塗り固められているかということを国内外のメディアを通して世界に広く発信するための歴史的式典を執り行うことを計画しています。
それではここで「平和祈念公園」建立から19年の歩みを振り返ることとします。
平和祈念公園のあゆみ
◆平成12年(2000年)タイ王室のプラティープ王女に謁見して、王室から感謝状と記念品の授与を受ける。同年日タイ合弁「21世紀文化教育財団」を設立する。
◆平成15年(2003年)平和祈念公園建立にあたり、全面協力をいただいたタイ王国の高僧、ロングポーラムヤイ大僧正死去
◆平成16年(2004年)陸軍将校クラブ(バンコク)においてカンチャナブリ県名誉県民賞を受賞。
◆平成21年(2009年)カンチャナブリ市長よりカンチャナブリ市名誉市民賞を受賞。
◆平成22年(2010年)医学博士・高野山真言宗大阿闇梨・池口惠觀大僧正による世界平和の祭典「大柴燈護摩」を挙行。
園内に「日タイ交流会館」(日・タイ両国の美術品展示館)を開設する。
「平和祈念公園」がカンチャナブリ県の観光地にしてされる。
同年タイ政府が、カンチャナブリ県に点在する先の戦争の「負の遺産」の1つとして平和祈念公園の世界遺産登録申請手続きに着手した旨を県知事から聞く。
◆平成25年(2013年)ロングポーラムヤイ大僧正十回忌法要(大聖堂落慶式)に参列
◆平成25年(2013年)10月一般社団法人「タイ国カンチャナブリ県平和祈念公園奉賛会」を設立する。
【平和祈念公園建立の切っ掛けと意義】
「平和祈念公園」は、わが国が先の大戦から50年を迎えた平成7年、先の大戦において祖国を護るために戦い散華したあまたの旧日本軍将兵が、遠い異国の地に屍を曝したまま祖国の土に還ることができない現実にかんがみ、今に生きる日本人として、心から感謝の誠を捧げ、世界の戦没将兵を慰霊することを目的とした戦後50周年記念事業として、今も語り継がれるインパール作戦ゆかりの地であるタイ王国カンチャナブリ県にある映画「戦場にかける橋」で有名なクワィ川に架かる泰緬鉄道のメクロン鉄橋から10キロ上流に建立することを計画。 当初は、仏教を国教とするタイ王国に日本庭園と神社を建立するために、政界、官界、僧門界、経済界、軍関係者などとの間で再々の交渉を重ねることによって相互理解を得て、3000坪の公園用地を購入して公園建立工事に着手。同年11月末に公園中央に地上7メートルの「平和祈念慰霊碑」が完成したことに伴い、12月1日、日タイ両国の関係者300有余名が見守る中、第1回大祭と「平和祈念慰霊碑」除幕式を挙行した。